エッセイ

耿さんの日々[その六]

はじめに

耿さんの日々 その六をお届けします。

二〇二四年は元日に突然能登半島一帯に地震が起こり、驚かされました。テレビに流れた映像では家が壊され、橋や道路があちらこちらで使い物にならなくなってしまったようです。二〇一一年におこった東日本大震災を嫌でも思い出させられ、暗い気持ちになったのは私だけではなかったでしょう。本当に日本は地震の多い国で、神様に愚痴っても始まらないでしょうが、でも言わないと気持ちの治まらないのが正直なところです。そんな中で、耿さんは日々の生活を楽しみ、このところ増えてきた体調の不安や怪我ともうまく付き合い、まずまず無難に暮らしています。早く全ての肩書や役職を引っぺがし、何もすることが無くて「退屈だ」と嘆く時が来るのを望んでいるのですが、もしそうなったら今度は神経を病むのでしょうか。それも一興で、何しろ気紛れな性分なので、「なってみなければ分からない」と投げ出して今夜もチビリチビリとお酒を嘗めて過ごそうかと考えています。